ひょう被害生産者インタビューVol.3

困難を乗り越え美味しい果物を作りたい

大内果樹園 園主 大内徹也さん・美千代さん

大内果樹園 園主 大内徹也さん・美千代さん

福島市の西側を走る県道5号線、通称「フルーツライン」沿いにある大内果樹園。園主の大内徹也さん、美千代さんご夫妻は2011年に「大好きな果物と深く関わる仕事がしたい」という夢実現のために福島市に移住、ご夫婦で果樹園を始めた「フルーツ移住」カップル。

現在、桃は「あかつき」や「川中島白桃」を中心に10種類以上、りんごは「サンふじ」をメインに「シナノゴールド」「シナノスウィート」を栽培しています。

被害状況に愕然「大変なことが起きた」

大内果樹園も2022年6月の福島市降ひょうにより、大きな被害を受けた果樹園の一つです。被害状況は桃が全体の約3割、りんごに至ってはほぼ全てが被害を受け、収穫前の果実に傷がつくという厳しい状況。りんごの被害は特に大きく、今年の贈答用のりんごの注文は受付中止を余儀なくされました。

福島で果樹園を始めて8年目を迎える大内さんですが、ひょうの被害にあったのはもちろん、ひょうを見たのも初めてだったそうです。目の前に降る大粒のひょう。自然の猛威を前になすすべはなく、「ただただ早くやむことを願うことしかできませんでした」と当時を振り返ります。時間にすると約8分ほどだったそうですが、その時間は大内さんご夫妻にはとても長く感じるものでした。地面に打ち付ける大粒の白い塊を見て「もうだめだ」と思ったといいます。そして実際に果樹園の被害状況を見た時にはさらに愕然となりました。

ひょうにより傷を受けた桃(6月撮影)
ひょうにより傷を受けたりんご(6月撮影)

傷があっても美味しさは変わらない

傷がついた果物は贈答用にはならず「家庭用」として販売するか、ジュースなどに加工することになります。
「家庭用のものでもお願いしたい」と変わらず注文の連絡をくれるリピーターさんの声が励みになり、また頑張ろうというモチベーションになっているというお二人。
傷があっても果物の美味しさに変わりはありません。

赤く色づき始めたりんご(9月下旬撮影)

果物を食べてくれた人が「美味しい」「また注文したい」と言ってくれることが何より嬉しく、そのためには努力を惜しまないお二人。朝早くから畑に向かい、ほぼ1日畑で過ごす事も多いといいます。果物の先にいる「食べてくれる人」の笑顔を想像すると、大変な仕事も苦にならないといいます。

困難を乗り越えて美味しい果物を作り続ける

震災後の福島で果樹園を始めた大内さんご夫妻、多くのご苦労を乗り越えてきました。そんな中でも「夫婦で大好きな仕事が出来ていることが幸せ」と話すお二人に、福島で農業を始めたことの後悔は全くありません。収穫の時期になると必ず注文の連絡をくれる地元の友人も多く、果物を通じて人との繋がりが続いていることも幸せな事だといいます。

自然は常に変化し予測がつきません。農業をする上で自然災害は防ぎようのないものですが、果物の木は来年以降もまた実をつけてくれるもの。

「気持ちを切替え、先を考えてまた良いものを作っていきたい」と前を向いて進む大内さんご夫妻が大切に育てた果物を、ぜひ皆さまも手に取って味わってみて下さい。

大内果樹園
住所:福島県福島市飯坂町平野字柳ノ下44-1
電話:024-542-2571
HP:https://ouchikajuen.jp/